「燕」の季語一覧と解説

四季で見られる季語

通常「燕」といえば春(2~4月)の季語になります
ただ、夏や秋にも燕の特徴的な姿を見ることができ、それぞれ夏燕、秋燕などと呼ばれています
燕の季語の中には、濡燕や諸燕など、聞きなれない季語もあるので、それらの意味も含めて紹介します
俳句作りの参考になさって下さい



(春の季語の)燕

燕(つばめ)、乙鳥(おつどり)、乙鳥(つばめ)、玄鳥(つばめ)、つばくら、つばつくめ、つばくろ

ツバメ科の鳥。全長 17cm。背面は光沢のある藍黒色、額と喉は赤褐色。腹面は白く、喉と胸の間に黒色の横帯がある。尾羽は長く、切れ込みの深い燕尾形。
ツバメは春半ば、南方から渡ってきて、人家の軒などに巣を作り雛を育てる。
俳句では春(2~4月)の季語になっている

飛燕(ひえん)

飛んでいるツバメをいう

濡燕(ぬれつばめ)

雨に濡れているツバメをいう

川燕(かわつばめ)

川にいるツバメ

里燕(さとつばめ)

里にいるツバメ

群燕(むらつばめ)

群をなして飛んでいるツバメ


諸燕(もろつばめ)

雌雄そろっているツバメ。諸は2つなどの意味がある。

夕燕(ゆうつばめ)

夕ぐれに飛び回るツバメ

燕来る(つばめくる)

2~3月ごろにツバメが日本に渡来すること。軒や梁などに巣を作る。

初燕(はつつばめ)

その年になって初めて目にする燕

岩燕(いわつばめ)、だけつばめ


ツバメ科の鳥。尾の切れ込みが浅く、体長は十五センチくらい。もともとは山地や海岸の岸壁や洞穴に集団で営巣していたが最近はビルや橋の下などに巣を作る。
産卵期は四月から八月にかけて。壷状の巣に一回に三四個の卵を産む。
「ジュリジュリピィピィ」と早口に濁った声でさえずる

燕の巣(つばめのす)、巣燕(すつばめ)、巣乙鳥(すおつどり)

燕は比較的人の集まるところ、人家の軒下、橋の下などに泥や藁で巣を作る。
人の集まるところには蛇や烏などの外敵が近づかなからとされている。
前年の古巣に土をつけ足して作ることもある。巣ができるとそこで卵を産み、孵化させる

(夏の季語の)燕

夏燕(なつつばめ)

夏に飛ぶツバメ。燕は春に南方から渡ってきて繁殖活動に入る。四月下旬から八月にかけて二回産卵する。雛を育てる頃の燕は、子燕に餌を与えるため野や町中を忙しく飛び回る。

親燕(おやつばめ)

ヒナを持つツバメ

燕の子(つばめのこ)

その年に生まれたツバメの子ども。五六羽のツバメの子が親から餌をもらうために大きな口を開けて巣から身を乗り出している姿はほほえましい

燕の巣(つばめのす)

ツバメの作った巣
比較的人の集まるところ、人家の軒下、橋の下などに泥や藁で巣を作る

(秋の季語の)燕

燕帰る(つばめかえる)、帰燕(きえん)、帰る燕(かえるつばめ)、去ぬ燕(さるつばめ)、巣を去る燕(すをさるつばめ)

秋になって南方へ帰っていく燕
夏の間に雛をかえし九月頃群れをなして帰ってゆくと淋しさが残る

秋燕(しゅうえん)

秋になっても見かける燕

残る燕(のこるつばめ)

南方へ渡らず日本各地の暖地に残る一団の燕

燕の有名な俳句

燕の有名な俳句はいろいろありますが、個人的に好きなものは次の2つです

つばめつばめ泥が好きなる燕かな  細見綾子
来ることの嬉しき燕きたりけり  石田郷子



言葉がやさしくて、内容もやさしい、作っている人のやさしさも感じられる俳句です
こういう俳句を作りたいな、と思います


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燕もそうでしたが、下の季語も季節をまたがって季語があります
それぞれの季節で様子は変わるので、使うときは微妙な違いも知っておくと、俳句作りに役立ちます

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