「破蓮(やれはす)」という秋の季語があります
意味は、雨風に打たれて崩れたハスの葉のこと
この関連季語に「敗荷(やれはす)」があります 1.2.3.4)
※「荷」は「蓮」のことです
葉が破れているから「破蓮」と書くのは分かるのですが
「敗荷」は、なぜ「敗」という字を書くのでしょうか
一般的に「敗れる」の文字は、勝負に敗北するなどの場合に使うため、少し疑問に感じました
調べたところ
「季語語源成り立ち辞典」に次のような説明が書かれていました
「葉が枯れ、茎が折れして、戦場の趣になってくる」 5)
どうやら、ぼろぼろに朽ちた様子を戦場に見立てて、「敗荷」と書いているようです
「破蓮」と「敗荷」のどちらで書くか迷ったときは、決めるときの手掛かりになるかもしれません
季語を詳しく知りたい方は、「四季を語る季語」をお勧めします 春版は期間限定でプライム会員であれば、無料で読むことができます |
1)角川書店.(2022).新版角川俳句大歳時記.KADOKAWA.
2)日外アソシエーツ.(2015).俳句季語よみかた辞典.日外アソシエーツ.
3)角川書店.(2019).合本俳句歳時記.KADOKAWA.
4)現代俳句協会.(2004).現代俳句歳時記.学研プラス.
5)榎本好宏.(2002).季語語源成り立ち辞典.平凡社.