「俳句は頭で考えないこと」とよく言われます
初学者がこのように注意を受けると
「頭で考えるなと言うけれど、他の人も机で作っているのだから、頭で考えているのでしょ?」と思う人もいるのではないでしょうか
結論を言ってしまうと、確かにその通りです
仕上げの作業などは、頭で考えなければできません
ただ、ここでの注意の本質的な部分は
「頭で考えると、擬人法や比喩といった主観的な表現や、説明句に向かいがちになる」
だから「頭で考えない事」と言っているのです
頭で考えれば考えるほど、理屈っぽい句になりやすいので、それを回避するための注意です
擬人法・比喩・説明句などが、すべてが悪いというわけではありません
意識的にそのような俳句を作る人もいますし、そのような俳句の面白さもあります
ただ、多くの人が、擬人法・比喩・説明のような俳句を好まない傾向があることは事実です
そのような俳句は、嫌味があるようにも感じられてしまいます
「嫌味っぽさを、感じられてしまうかな?感じられても良いからこの表現を使いたいな」と思って俳句を作るのと、まったく知らずに俳句を作るのでは違います
俳句の良し悪しの判断が付かない初学者の間は、そういった作り方に慣れてしまわないように、という思いがあって、先輩方が注意してくれているのです
「俳句は頭で考えないこと」と言われたときは
上記の意味があることを覚えておいてください