「七夕祭」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

季語の中には、歳時記には掲載されているものの、意味が不明確な子季語も多く存在します。この記事では、より良い季語が選べるように、今回はよく使われる主季語と子季語のそれぞれの意味を解説しています。


七夕祭の季語

下の表では、一番上の「七夕祭」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。

七夕祭(たなばたまつり)        七夕の日(7月7日)に行われる日本の伝統的な祭り
七夕は、織姫と彦星が天の川を渡って年に一度だけ会えるとされている
竹に飾りや短冊を掛けて願い事をする風習があり、地域によっては大規模なイベントなども開催される
七夕(たなばた)、棚機(たなばた)「七夕祭(たなばたまつり)」の略
棚機つ女(たなばたつめ)織女(しよくじよ)星の異名
星祭(ほしまつり)七夕の日に催される祭
星祝(ほしいわい)陰暦七月七日のこと。またその日の行事
星の手向け(ほしのたむけ)陰暦七月七日に、牽牛・織女をまつること。また、その供え物
星の秋(ほしのあき)七夕のこと
星今宵(ほしこよい)七夕のこと
星の歌(ほしのうた)七夕星にたむけた詩歌
芋の葉の露(いものはのつゆ)サトイモの葉に置いた露。この露を硯(すずり)の水に用いて梶(かじ)の葉に詩歌や願いごとを書いて七夕の星にたむける風習があった
梶の葉(かじのは)七夕の夜、七枚の梶の葉に歌を書いて織女星にたむける風習。七枚の葉に歌を書くのは七夕の七にちなむ
硯洗(すずりあらい)七夕の前後、ふだん使う硯や机を洗い清めること。七夕の朝は稲や 芋の葉の露を集めて墨をすり、七夕竹に吊るす色紙や短冊を書いた
庭の立琴(にわのたてこと)七夕の夜、宮中での儀式に使われるの道具の一つ
星合(ほしあい)陰暦の七月七日、牽牛と織姫の二つの星が、天の川を渡ってあう こと
牽牛(けんぎゅう)彦星(ひこぼし)。鷲座(わしざ)のアルファ星、アルタイル。
織女(しゅくじょ)はたおりの女。たなばた伝説の女主人公。
鵲の橋(かささぎのはし)七夕の日に天の川上にできる橋の名前。牽牛と織女が会うとき、カササギが翼を並べて天の川を渡した
乞巧奠(きっこうでん)糸や針仕事の技巧上達を織姫星に願う夜の祭事。七夕のルーツの一つとされる行事
七夕踊(たなばたおどり)七夕の日に行なわれる風流の踊り
かけ踊(かけおどり)室町後期より江戸初期にかけて行われた七夕の風流の踊り
小町踊(こまちおどり)江戸前期、京都などで、7月7日の昼、美しく着飾った少女たちが町々を踊り歩いたもの
七夕竹売(たなばたたけうり)
短冊竹売(たんざくだけうり)
色紙短冊売る(しきしたんざくうる)
七夕竹、短冊、色紙短冊などを売り歩くこと
笹売(ささうり)七夕で使う竹を売るもの
机洗ふ(つくえあらう)七夕の前日、子どもが硯・筆・机などを洗う

季語の選び方、使い方のポイント

七夕祭のいろいろな子季語

「七夕祭」の季語には、「星の手向け」や「芋の葉の露」、「鵲の橋」など、その言葉から想像しにくい意味を持つものもたくさんあります。

「星の手向け」は、七夕の夜、織姫と彦星に願い事を書いた短冊を飾る風習を表しています。
「芋の葉の露」は、七夕の夜に降る露を、硯の水として使い、願い事を書いた和歌を神様へ捧げる風習を表しています。

このように、それぞれの季語には美しい物語が込められています。これらの意味を知り、俳句の中にその情景を描き出すことで、より豊かな表現が可能になります。

関連する俳句

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七夕関連の俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

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