俳句歳時記の使い方!俳句をやらない人にも分かるように説明

俳句を始める

俳句で使う歳時記の使い方・読み方がわからなくて困ってますよね?
ここでは、それを解決するための記事を書いています
俳句専門家が「歳時記の使い方」を徹底解説!

今回はわたしも使っている「角川歳時記」を例に説明しますが、ほかの歳時記も内容は同じなので、記事は役に立つはずです。

歳時記ってどのようなもの?

そもそも、歳時記ってどのようなもの?という疑問を持っている人もいると思うので簡単に説明します。
歳時記は、日本の四季折々の風物(季語)を一覧で掲載した本です。
また、その季語を使って作られた俳句作品も掲載されています。

歳時記は何のために使うの?

歳時記には季語が掲載されています。
その季語を使って俳句作品が作られます。

ですので、俳句を作る人たちは、「どの季語で俳句を作ろうかな」と考えるときに、本を開いて季語を探します。
つまり、俳句作りのときに季語を探すために使います。

とはいっても、俳句をやらない人でも歳時記は読みます。
四季折々の風物が掲載されているため、単純に読み物として楽しむことができます。
実際に私も中学生の時に、季語の部分だけを読んでいました。

歳時記の季節の分類について

歳時記には四季折々の風物(季語)が掲載されています。
それぞれの風物(季語)は、それが最もよく見れる季節に分類されます。

ちなみに、季節の分類は「春夏秋冬」ではなく「春夏秋冬+新年」となります。
新年は冬の一部ですが、新年特有の風物があるため、別に一つの季節として立てられています。

季節を月ごとに見ると次のようになります
一般的な感覚から見ると1か月早い気がすると思いますが、歳時記ではこのように季節と月の関係を定めています。

四季の季節と、それぞれの月

歳時記の事物の分類について

歳時記では「春夏秋冬+新年」の季節で分類されていると説明をしました。

(各歳時記によって違いますが)それぞれの季節はおおむね
「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」の事物に分類されていて
それぞれの事物の中に、関連する風物(季語)が掲載されています。

図で書くとこのような感じです。

歳時記の分類の説明

このおかげで
「春の天文の季語を探したい」
「新年の生活の季語を探したい」
という細かな要望でも、目的の季語を簡単に探すことができるようになっています。

具体的に、春の植物の季語を探す場合は
「春」の中の「植物」の分類をあたれば
「桜」「辛夷(こぶし)」「藤」など、さまざまな春の植物の季語を見つけることができます。

そこから季語を選んで、俳句を作ります。

歳時記の目次・索引の見方

目次
歳時記の目次では、先ほど説明したように
「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」の分類がされていて
それぞれの分類に対応した季語が掲載されています。

この中から気になる季語を探して、季語のページに移動すると、季語の詳しい説明が読めます

俳句歳時記の目次



索引
索引では、季語が「あいうえお」順に並んでいます
「○○という事物が季語なか、季語でないのか、を調べるときに使います

各季語のページの見方

季語のページをめくると、どの歳時記も次の3段階で表示されています

(ここでは、薔薇(バラ)で話を進めます)
①薔薇と、薔薇に関連する季語が掲載 (赤枠)
②薔薇の説明が掲載 (黄枠)
③薔薇を使った俳句が掲載 (黒枠)

歳時記の内容


①薔薇と、薔薇に関連する季語
薔薇で俳句を作ろうと思って、薔薇のページへ行くと、写真のように薔薇に関連する季語や、薔薇の別の呼び方が書かれています

これは、実際に俳句を作るときに役立ちます
俳句は575で作らなくてはならないため、薔薇の2文字では音数が合わなくなるときがあります
そのときに、関連する季語の中から、希望する音数の言葉が見つけることができます

②薔薇の説明
それぞれの季語には、季語の説明が書かれています

その季語の視覚的な特徴であったり、名前の背景などが書かれていることもあります
詳しく季語の意味を理解することで、俳句作りの着想を得ることもあります



③薔薇を使った俳句
薔薇でいざ俳句を作ろうと思っても、どのように作ればよいのか最初は悩むものです
しかし歳時記には、先輩方が作った薔薇の俳句が掲載されています
これらの句を参考にしながら、俳句を作ることができます

各季語には俳句作品が掲載されている

歳時記には様々な季語が掲載されています。
そこには、その季語を使って作られた俳句作品も紹介されています。
これによって、他の人が、どのように俳句を作っているのかを勉強できます。

歳時記の使い方(俳句を作る人)

これから俳句を作ろうと考えている人は、次のように歳時記を使うと良いでしょう

① 俳句を作るときには季語を入れるルールがあるので、歳時記をパラパラめくって、俳句に入れる季語を選ぶ。
② 春、外に出たときに心地よい風を感じて、それで俳句を作りたいと思ったら、「春」の「天文」の中の「風」に関連する季語の中から、その時の風の名前を調べる。
③ 俳句作品を読んで、好きなタイプの俳句にチェックをつける(のちのち、俳句作りの参考になります)。
④ 季語の解説文を読み込む(これをしておくと、外で季語に出会ったときに、すぐに季語の名前がでるようになる)。

歳時記の使い方(俳句を作らない人)

俳句を作らない人は、次のように歳時記を使うと良いでしょう

① 季語の解説文を読む。(これだけでも、様々な風物があることに感動できるはずです)
② 掲載されている季語を実際に探しに行く。(普段、意識もせずに見過ごしていた物がとても新鮮に感じられるはずです)

俳句鑑賞での歳時記の使い方

俳句作品を鑑賞する際にも、歳時記は使います。

例えば次のような俳句作品があります。

 じりじりと 山の寄せくる 油照り
(じりじりと やまのよせくる あぶらでり)


この「油照り」という季語は何だろう?と思ったときに、歳時記で調べることで意味を調べることができます。

最後に

どうでしたか?歳時記の内容や使い方など分かりましたか?
歳時記を読むと、自然が身近に感じられます。
「最近四季がなくなってきたよね」と思っていたものが間違った解釈で、実際には、1月ごとに季節は大きく変わっていることを感じられます。
自然の移ろいを強く感じられるようになると、自然から感じられる感動がより大きくなります。
一般的な小説や雑誌などからは、このようなことを感じるのは少ないと思います。

歳時記では、このようなことを感じられます。
俳句をやる、やらないに関係なく楽しむことができて、人生を豊かにしてくれる本です。
1冊だけでも持っていると良い本です。

初めて歳時記を買う人は、「オールカラー よくわかる俳句歳時記」がおすすめです。
写真が掲載されていて、「この植物はこういう名前だったのか」というのが視覚的に理解できて、とても読みやすい本です。
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