「始め・初め」を使おうと思ったけれど、漢字はどっちだったっけ?と困ってますよね
この記事ではそれを解決できます
俳句作りの専門家が徹底解説!
「始め・初め」の使い分け
「始め・初め」という、漢字があります。
一般的には、次の場面で使い分けられます。
始め | 何かをはじめる ものごとの始まりの 着手 |
初め | 順序の一番目 時間的に早い段階 最初 |
ですので
「始め」は、あるときから新たに行動をするときに使われます。
「初め」は、時間などの最初を指すときに使います。
「始め・初め」の例文
「始め・初め」の例文を紹介します。
始め | 仕事を始める ここから始めようと思う 本の読み始め |
初め | 今年初めての仕事 初めから見直す 初めて知ることばかり |
「始め・初め」を使った俳句
かなかなや僧がキャッチボール始める
(かなかな(蝉)が鳴いているなぁ。お坊さんがキャッチボールを始めだした。)
がんばり賞手に初めての夏休み
(子供が学校で「がんばり賞」を貰ってきた。今日から初めての夏休み。)
このように「始め・初め」が使い分けられています
「始め・初め」に迷った時の思い出し方
「始め・初め」の使い分けを見てきましたが、それでも実際に使うときに忘れてしまうことがあります。
そのときは、「始め・初め」の熟語を考えると、思い出すことがあります。
「始め」は「開始」
「初め」は「最初」
この2つを思い出せば、間違うことは無いでしょう。
「始」「初」を含む季語
俳句では、新年の季語に「始め・初め」を使ったものが多く見られます。
それぞれの季語を紹介します。
誤用をしないように、先ほどの使い分けと一緒に確認をすると良いと思います。
始め | 仕事始/細工始/手斧始/窯始/鞴始/鍛冶始/鋳始/御用始/正月事始/日記始/歌会始/鞠始/講書始/年始 |
初め | 初茜/初東雲/初明り/初日/初空/初晴/初霞/初風/初東風/初松籟/初凪/初景色/初富士/初筑波/初比叡/初浅間/初手水/掃初/初座敷/初屏風/初暦/初湯/初燈/初電話/笑初/泣初/話初/梳初/初髪/初鏡/初灸/初夢 |
「始」「初」を含む季語の注意点
「泣初(なきぞめ)」という季語があります。
新年に初めて泣くことを言いますが、間違って「泣始(なきはじめ)」と書いてしまうと、誰かが泣き始めたという意味になってしまいます。
意味が変わってしまいますし、季語でもなくなってしまいます。
「始」「初」を含む季語を使う場合には注意をしましょう。
また、「書初(かきぞめ)」という季語の関連季語に「筆始(ふではじめ)」があります。
同じ季語に「初」と「始」の2つがあります。
意味は次の通りです。
書初…年明けの最初に字を書く
筆始…年明けに筆をとって、字を書き始める
書初は「年明けの最初に」重きを置いていますが、筆始は「書き始める」ことに重きを置いています。
微妙な違いですが、ここを使い分けることで、より良い俳句を作ることができます。
このような季語の意味の違いは歳時記には書かれていませんが、「四季を語る季語」には全ての季語に意味が書かれています。興味のある方は読んでみてください。
今回紹介した、間違えやすい漢字を調べるときに役立つ本も、次に紹介します。
間違えやすい漢字を調べるのに便利な本
違う漢字なのに同じ読み方をする単語は間違えやすいものです
間違えやすい漢字をしらべるときに、『同音同訓異字辞典』がお勧めです
新刊では見つからないので、古本で売っていればすぐに買った方がいいです