春の季語に、昆虫の「蝶」がある
この関連季語に「胡蝶の夢」を紹介している歳時記があります 1.2)
関連季語とされているため、実際の蝶だと思ってしまう人もいるかもしれませんが、蝶のことではないので注意してください
「胡蝶の夢」というのは、夢の中で胡蝶になった荘子が、自分は胡蝶なのか、胡蝶が自分なのか、区別がつかなくなったという故事から、夢と現実の区別がつかない例えとして使われる言葉です 3.4.5)
このような故事でも、「胡蝶」という季語の言葉が含まれていれば昔は歳時記に掲載されていました
現在も歳時記の中に残っているのは、「胡蝶の夢」で作られた過去の作品もあるため、鑑賞できるようにという配慮からでしょうか
「花に飛ぶ胡蝶の夢の戯れなり」
「竜宮の胡蝶の夢を海水魚」 6)
このように俳句で使われている例もあります
故事を作品に組み込むというのも、楽しい試みかもしれません
1回くらいは「胡蝶の夢」で作品を作ってもいいかもしれません
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1)角川書店.(2022).新版角川俳句大歳時記.KADOKAWA.
2)日外アソシエーツ.(2015).俳句季語よみかた辞典.日外アソシエーツ.
3)小学館.(2006).精選版
日本国語大辞典.小学館.
4)監修:松村明.デジタル大辞泉.小学館.
5)小学館.日本大百科全書(ニッポニカ).小学館.
6)曲水
81(6)(943).(1997).曲水社.