初心者向け!俳句を短くするコツと具体的な例

俳句はたった17音の中に、情景や感情をギュッと凝縮させる奥深い世界です。しかし、いざ作ってみると、言葉が溢れてしまい、なかなか17音に収まらないという経験はありませんか?

今回は、そんな悩みを抱える初心者の方に向けて、俳句を短くするコツと具体的な例を分かりやすくご紹介します。

言葉を短くして、17音に収めよう

俳句は17音しか使えません、余計な言葉を使うと17音では収まらなくなります。そのため、言葉を短くします。
また、長い言葉は、だらだらと余計なことを言っていることが多いものです。それでは、散文的な印象となり、読者の心に響く俳句からは遠ざかってしまいます。
短い言葉で、読者の想像力を掻き立て、余韻を残す。そのような理由もあり、言葉を短くします。

俳句を短くするコツ

1. 「主語+名詞」で表現する

俳句では、できるだけ多くの情報を詰め込もうと、つい長くなってしまいがちです。
とくに始めたばかりの人は、読者に意味が通じるか不安になり、つい必要以上の言葉を付け加えてしまうものです。しかし、俳句は短い言葉ほど鮮やかに情景を浮かび上がらせることができます。

例えば、「風花が舞う広い空」という表現は、美しい情景を想像させますが、言葉が多く、少し冗長に感じられます。これを「風花の空」と短くすることで、よりシンプルで映像が浮かびやすくなります。

【他の例】

  • 沈丁の香りをこぼす闇夜    →  沈丁の闇
  • 稲妻の光がガラス窓を照らす  →  稲妻のガラス窓
  • 霧が茜色に染まる朝      →  霧の朝


2. 動詞を避ける

動詞は、文章に動きや変化を与える言葉ですが、動詞を削ることで表現がシンプルで具体的になることがあります。

【例】

  • 桜が咲く庭      →  桜の庭 (動詞を削る)
  • 桜が咲き満ちている  →  花盛り (動詞を名詞に変える)
  • 鳥が鳴いている    →  鳥の声 (動詞を名詞に変える)

俳句では動詞を削ったり、動詞を名詞に変えたほうが良いとよく言われます。
動詞は、文脈によって様々な意味合いを持ちます。例えば、「走る」「食べる」「考える」などの動詞は、具体的な状況を想像するために、文脈や他の言葉との組み合わせが必要で、文書を必要以上に長くさせてしまいます。
ですから、動詞を削ったり、名詞に変えることで、音数を省略することができるのです。

3. 修飾語を減らす

修飾語は、名詞を詳しく説明する言葉です。表現が具体的になる一方で、無駄な音数を使うことになります。

【例】

  • 母校の大きな桜の木  →  母校の桜
  • 青い空に渡り鳥    →  空に渡り鳥

そこにある修飾語が絶対に必要であるのか、一度立ち止まって考えましょう。

4. 季語を見直す

季語を見直すことでも音数を削減することができます。
例えば、「春の雨」であれば「春雨」に直すことで、1音を省略することができます。
17音に収まらないときは、音数の少ない季語を探すことも有効です。

【例】

  • 梅雨に入る(つゆにいる) → 入梅(1音省略)
  • 夏の夕焼け        → 夏ゆやけ(2音省略)    
  • 山椒魚(さんしょううお) → はんざき(2音省略)


まとめ

俳句を短くするために、

  • 「主語+名詞」で表現する
  • 動詞を避ける
  • 修飾語を減らす
  • 季語を見直す

この4つを意識しましょう。
それによって17音以上の内容を、17音で納めることができます。それは結果的に、短い言葉で大きな内容を伝えることにつながります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、何度も練習することで必ず身に付きます。諦めずに、楽しみながら省略をマスターしてください。





タイトルとURLをコピーしました