俳句で大切なのは、「切り口の独創性」と言われます
切り口の独創性というと
人がびっくりするような物事を探さなければいけないの?
難しい言葉を使った方がいいの?
皆がはっとするような、言い回しを探した方がいいの?
などと、思う人もいると思いますが、そのような必要はありません
切り口の独創性は、普段、周りのみんなが言ってきたこと
そこから少しだけ「新しい発見」があればいのです
難しく考えることはありません
例えば、降っている雪の中を風が吹き抜けた
その時の雪の揺らぎが美しくて、俳句に詠みたいと思います
たいていの場合
雪が揺らいだ
雪が風に流れていった
など、当たり前の表現を使ってしまいます。それはそれでいいのですが
もう少しだけそこから、誰も言わなかった、誰も気が付かなかった事を発見して、付け加えます
高野素十の句を紹介します
春の雪波の如くに塀をこゆ
雪が風に吹かれて、波のように塀を超えていった、と言っています
波のように、、、
簡単な言葉です
ですが、揺らいだ様子の表現としては新しい発見です
俳句は、当たり前の表現、皆が言っていることを言っても意味はありません
誰も言わなかった、誰も気が付かなかった新しい発見をして言うこと
それが「切り口の独創性」になりますし、読者の心にも残る表現になります
人がびっくりするような物事
難しい言葉
皆がはっとするような、強い言葉
このようなものを探そうと考えると気負ってしまうだけです
気軽に
普通見ている景色から、少しだけ「新しい発見」ができないか観察しましょう
「新しい発見」が、そのまま「切り口の独創性」になります