「俳句を勉強し始めたのだけれど、なかなか良い本がない」
と悩みを抱えている方のために、お勧めの本を紹介します
「俳句実作入門講座3 俳句表現の方法」
こちらの本は、著名な19人の俳人による、俳句実作ポイントが述べられているので、とても勉強になります
すでに俳句を作っている、という人に向けた本ですので
「俳句は五七五で作りましょう」といった、初歩的なことは書かれていません
それぞれの俳人が、それぞれの考えで、俳句の作り方について述べているため
本を一読するなかで「この人の説明は分かりやすいな」「面白い考えを持たれる人だな」
と思う俳人が、必ずいるはずです
もし、その俳人が他にも俳句解説書を執筆しているのでしたら
そこから別の本を読むきっかけにもなるでしょうし
その俳人が結社を主宰しているのでしたら、入会するといったきっかけになるでしょう
俳句の勉強だけでなく、ご自身の活動する場を広げるきっかけにもなる、良い本だと思います
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311 句を提出する前に確認したいこと
「句会で発表しても、中々良い評価が得られない」
「俳句大会に応募しても、入選ができない」
という人のために、ご自身の俳句を提出する前に確認しておきたいポイントを紹介します
通常、俳句を即興で作ったまま、手直しもせずに
どこかに提出をしても、大抵の場合において良い評価を得ることは少ないでしょう
作った俳句を提出する際は、提出の前に一度、次の点を確認しましょう
【提出前に確認したいポイント】
1.句の中心がはっきりつかめているか
2.用語叙法に誤りはないか
3.もっと良い表現方法はないか
4.他に類句はないか
上記のポイントももう少し詳しく説明します
1.句の中心がはっきりつかめているか
句の中で言いたいことが一つに絞られているか、ということです
主語が一つに絞られているか、とも言えます
わずか17音の中で、主語が2個も3個もあると
鑑賞者は何の事を言っているのか判断がつきません
客観的に見て、確実に「このことを言っている」と分かる句にしましょう
2.文語文法に誤りはないか
俳句では古語を使う人が多数を占めます
もしあなたが古語で俳句を作っているのなら、旧仮名遣いの使い方が正しいか確認しましょう
同時に、句の中で使われている助詞が正しく使われているのかも確認したいものです
俳句では、旧仮名や助詞のたった1音で、意味が全く変わってしまうことがあります
自分の言いたいことが、この言葉で正しいのか、必ず確認しましょう
少しでも不安を覚える場合は、誤りがある可能性がありますので、正しいと思えるまで確認することが大切です
3.もっと良い表現方法はないか
俳句の良し悪しは、一般的にみんなが見ている事物を
他の人にはできない表現方法(言い表し方)ですることができるかどうかにかかっています
ぱっとできてしまった句の多くは、大抵平凡な表現で終始しています
そこから、もう少しだけ頑張って「もっと良い表現方法はないか」
「新しい表現方法は無いか」考えてみましょう
4.他に類句はないか
俳句は17音の短い詩ですから、気が付かない間に、類句を作っていることがあるかもしれません
そのようなことが無いように、提出する前には確認する癖をつけておきましょう
17音全てが同じ句を作ることは無いと思いますが
上五が同じ、中七が同じ、下五が同じという句はよくあります
インターネットで、自分の句の上五だけを検索して、ヒットした俳句と見比べてみましょう
もしヒットした句と酷似しているような場合は、潔く自分の句を捨てましょう
俳句は17音しかありませんから、どうしても似たような句を出してしまうことはあります。しかし、似たような句は、何十年も俳句をやられている先輩や選者なら、すぐに分かります
1度や2度ならまだしも、毎回類句ばかりを提出していると、「この人は盗作癖があるのかな?また今回の人の句を真似たのだろう」と思われてしまい、周りからも相手にされなくなるでしょう
自分の句が評価されない、という方は
句を提出する前に、上記の注意点を確認するだけでも、評価の得られ方が変わってくるはずです