俳句の語順、どうすればいい?悩んだときの3つのヒント

俳句の推敲で語順を入れ換えるということは、よくやると思います。
ただ、何度も何度も語順を入れ換えていると、どれが一番良いのか分からなくなってしまうものです。
この入れ替えの泥沼にはまってしまったときは、一度たちどまって、次の3つのポイントを確認して見直しましょう。適切な語順が見つかるはずです。

1. 意味が一つに定まるか?
2. 音の流れは自然か?
3. 変更部分だけを確認




1. 意味が一つに定まるか?

語順を変えると、言葉の意味が複数に解釈できてしまうことがあります。
例えば、「きらめきし ヨットの帆先 秋の海」という俳句であれば、きらめいているのはヨットの帆先だとわかります。
語順を変えて次の俳句になったらどうでしょうか
「秋の海 きらきら船の 帆先かな」
これだと、秋の海がきらきらしているのか、船の帆先がきらきらしているのか、両方の意味にとられてしまいます。

このように、語順を変えることで、意味が複数になってしまうことはよくあります。
語順を変えたときに注意したいポイントです。

2. 音の流れは自然か?

句の意味だけでなく、言葉の響きも大切です。言葉がなめらかにつながり、心地よく読めるかどうかを意識してみましょう。
次の2つを見比べてみます。

戸隠の 山を震わす 蝉時雨
蝉時雨 戸隠の山 震わせて

おそらく、上の俳句の方がスムーズに読めたのではないでしょうか
下の句では、「蝉時雨」で一度音が切れるため、わずかですが流れの悪さを感じさせます。

音の流れは、実際に口に出して読んでみると違いが分かります。
2種類の語順のどちらにしようか迷ったときは、それぞれの俳句を10回、口に出して読んでみてください。
スムーズに読める俳句と、そうでない俳句に分かれるはずです。

3. 変更部分だけを確認

推敲をしている部分が一部分の場合、その変更部分だけを確認する、というのも有効です。
例えば、上五は変えずに、「中七・下五」の言葉の語順を変えていたとします。
その時は、一句全体を眺めながら、どちらが良いかを考えるよりも、語順を変えている「中七・下五」だけを見た方が、分かりやすかったりします。

向日葵の 首を地へ向け 垂らしけり
向日葵の 地に向け首を 垂らしけり

上の2つの俳句であれば
「首を地へ向け 垂らしけり」
「地に向け首を 垂らしけり」
の部分ですね。

この2つの文章だけを見比べて、分かりやすい方を選びます。

十七音を読み比べて比較するより、十二音を比べて比較する方が、シンプルに両者の違いが分かります。

悩んだときのまとめ

  • 意味が一つに定まるか?
  • 音の流れは自然か?
  • 変更部分だけを確認

この3つの視点で、語順を何度も見直してみましょう。きっと、しっくりくる言葉の並び方が見つかるはずです。

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