俳句で読者の頭に景を浮かばせる3つのポイント

俳句を作っていると、先輩方から
「一読して明確な景が浮かぶ句を作るように」と指摘を受けます
言い方を変えれば、読者の頭に景色が浮かぶように俳句を作りなさい、ということです
では、一読して明確な景を浮かばせる俳句を作るには、どうすればよいのでしょうか
ここでは、読者の頭に景色が浮かびやすい俳句を作るための3つのポイントを紹介します

①言いたいことを一つに絞る   
②よく見る景を読む       
③よく使われる言葉を使う    
具体的に説明していきます
①言いたいことを一つに絞る   
景が浮かばない俳句に共通しているのですが
景の浮かばない俳句は、多くの場合、内容がごちゃごちゃしています
そのため、鑑賞者側の頭の中に、具体的な景が思い浮かばないのです
内容がごちゃごちゃしてしまう大きな理由は
目に入った題材を全て17音の中に入れてしまうケースがあります
17音の中に、空、鳥、虫など、その時目に入ったものを全て詰め込んでしまうのです
例えば次の句
「空に鳥/飛んで虫取り/消え去った」
これを読んだとき、ほとんどの人が一読しては景色が浮かばないと思います


景色をぱっと思い浮かばせるためには、材料が少ないほど良いのです
できれば、材料を一つにしてしまっても良いでしょう

「空に鳥が飛んでいる様子」だけを描く
「鳥が虫を取った瞬間」だけを描く
「虫をくわえた鳥が消え去る様子」だけを描く
といったように、題材は一つに絞ると、鑑賞者の頭にも景が浮かびやすくなります
②よく見る景を読む       
俳句を作り始めたばかりの人で多い失敗です
珍しい景色を詠んだ方が、面白い俳句になるのでは?と思い、そのような題材で俳句を作ってしまうことがあります
しかし、珍しい景色というのは、その景色を見たことのある人は少ないということです
鑑賞者が、その景色を見たこともなければ、いくら俳句を鑑賞したところで、風景は浮かびません
つまり、題材を選ぶときは
「皆が経験したことのある景」
「誰もが見たことのある景」にするべきです
そうしなければ、一読して明確な景が浮かばせることは難しいでしょう
③よく使われる言葉を使う    
普段使わない単語を使った句も、やはり景を浮かべるのが難しくなります
難しい単語を使えば使うほど、鑑賞者はその単語で止まってしまい、そこから読み進められなくなります
これでは、景色など浮かびようがありません
例えば
「白壁が夕焼けで赤く染まった」
「白壁が夕焼けで鴇色(ときいろ)に染まった」
同じことを言っているのですが、すぐに景色が想像できるのは上の方ですよね?
このように、「難しい単語」「普段使わない単語」は控えて
皆が知っている単語を使うこともポイントになります

①言いたいことを一つに絞る   
②よく見る景を読む       
③よく使われる言葉を使う    
この3つのポイントを抑えると、読者の頭に景色が浮かびやすい俳句になります

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