平凡な俳句を作ってしまい、手直しをしようとするとき
いろいろとこねくり回してしまうものだが、絶対に手を触れてはいけない部分がある
例えば次の俳句
夕風に 吹かれて桜の 散りにけり
これを直すとき、句の中心である「桜が散る」の部分には、絶対に触れないこと
ああでもない、こうでもない、といじっていると、いつの間にか句の中心までも変えてしまうことがあるが、ここが変わると句自体が全く別物になってしまうから
今回の俳句でいえば、「夕風に吹かれる」の部分を変えればいい
さらに言うと、「夕風」と「吹かれる」のどちらか片方でいい
両方をいじると仕上がりが分けの分からないものになりやすいから
こう考えると、作った俳句の一か所だけを直せば良いことになるので簡単になる
夕風に 吹かれて 桜の散りにけり
↑ ↑ ↑
① ② ③
おさらいをすると、③の句の中心は触らない
①か②の、どちらかの言葉を直す、ということ
まずは①を直してみる
ごうごうと 吹かれ
潮風に 吹かれ
さやさやと 吹かれ
②を直してみる
夕風に あおられ 桜散りにけり
夕風に 抗い 桜散りにけり
夕風に 誘われ 桜散りにけり
先生に添削をしてもらうことがあると思う、このとき、句の全体が直されるということはあまりなくて、一部分が直される
一部分が直るだけなのだけれど、劇的によくなる
添削してもらったものを見るとよくわかるが、句の中心を直していることは殆どない
直してはいけない部分を知るということは、直せばいい部分が分かるということ
それが分かるだけで、推敲は劇的に早くなる
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