俳句で注意をしたい「出来る(できる)」。これは口語?文語?

 

俳句作品の中で、「出来る(できる)」という言葉を見かけますが

「出来る(できる)」は文語ではありません

文語で俳句を作りたい、という人は気を付けてください

 

 


 

「出来る(できる)」という言葉の成り立ちは

「出で来(いでく)」→「出来(でく)」→「出来(でくる)」→「出来る(できる)」です

このうち前の2つが文語、後ろの2つが口語です


 

※↓表で確認しましょう

 
「出来る(できる)」の成り立ち

文語

   
出で来(いでく)

  ↓

  ↓ 「出で来(いでく)」が短縮した形

  ↓

   
出来(でく)

  ↓

  ↓ 「出来(でく)」の口語

  ↓

口語

   
出来(でくる)

  ↓

  ↓ ③「出来(でくる)」が上一段化した形

  ↓

   
出来る(できる)

 

文語で俳句を作る場合は

「出来る(できる)」ではなく「出で来(いでく)」となります

間違えないようにしましょう
 
また、「出で来る(いでくる)」という言葉は、「出で来(いでく)」の連体形です

 

 

このような文語と口語が分かりづらい言葉は結構あって、季語の中にも見られます

歳時記に掲載されている季語は、すべてが文語で書かれているのだろうと俳句を始めた当時は思っていましたが、全然違います

文語の季語、口語の季語、旧仮名の季語、新仮名の季語など、関係なく掲載されています

今回の「出来る(できる)」だけでなく、季語を使うときも間違わないように注意しましょう

 

 

 

 

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